網の目にように張り巡らされた路線を過密なダイヤで列車が走り回る首都・東京の地下鉄。何者かによりジャックされた新鋭実験列車「クモE4-600」は、遠隔操作による無人運転で首都圏の地下鉄網を縦横無尽に走り始める。これに対し警視庁は交渉課準備室の真下警視に捜査の指揮を委ね、地下鉄の総合運行指令室に捜査本部を置いた真下と謎の犯人との間で息つく暇の無い攻防戦が始まる。果たして真下は列車を止め、謎の犯人がほのめかす無差別爆破を阻止できるのか。
100点満点はつけられないが、それなりに楽しめた。監督の本広克行は今の日本映画界にあって、ただ純粋に観客を楽しませる事だけに徹してくれる数少ない映画人の一人だと思う。映像的にも空撮の多用、様々なカメラアングルからの撮影や早いカット回し等々、日本映画にしては激しく絵が動き回り、観客を飽きさせず、映像で映画に引き込む術をよく心得ている。ストーリー面でも前作の「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」と同様、今回の「交渉人 真下正義」でも舞台を限定、地下鉄という特殊なシチュエーションを上手く利用して独特の面白味を出すことに大成功している。
それでも100点満点をつけられないのは、「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」でも感じた詰めの甘さだろうか。今回で言えば舞台となる地下鉄の研究を良くしていて、これが映画に一層の深みと面白味を醸し出している。が、しかし...基本的な部分がいつも大雑把でシラケてしまうのだ。いや、「踊る~」シリーズに元々リアルさ追求すること自体間違いなのだが...。野球の守備に例えれば難しいボールはファインプレーするが、イージーボールは気を抜いてエラーする、そんな感じ。もし今回のように実際に地下鉄がジャックされたら、一切の営業運転を中止するのが普通の対応だと思うが...(映画ではダイヤの調整をして営業運転が続けられる)。そんな素朴な疑問がポロポロ出てくると、観ていて途中からそれがすごく気になる。...そんな訳で若干減点。
さて、もしこの「交渉人 真下正義」の「地下鉄」という舞台に斬新な面白味を感じた方が居たら、もうオススメとして「新幹線大爆破」という映画がある。当ブログでも一度紹介しているので、興味のある方は是非ご覧頂きたい。この「新幹線大爆破」の水準ぐらいまでストーリー構成をしっかり詰めてくれていたなら...となんとも勿体無い気持ちで一杯。(O家の主人)
◆「交渉人 真下正義」
2005年/東宝/2時間7分/独断と偏見の評価額:1,500円
◆「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」
2003年/東宝/2時間18分/独断と偏見の評価額:1,200円
◆類似映画「新幹線大爆破」
1975年/東映/2時間33分/独断と偏見の評価額:2,000円
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